資源相場に「暴落」の予兆
供給過剰と需要急減が始まる
2012年5月号
二十一世紀に入って急騰した様々な資源に暴落の気配が漂い始めた。
原油や鉄鉱石、銅など市場でうかがえる予兆はまだ限られている。だが、需要側では新興国景気の減速、省エネ・省資源の劇的な進展、供給側で進むガス田や鉱山開発は過去十年続いた需給逼迫の構図を塗り替える。これまで資源価格を押し上げてきた投機マネーは、下がるとみれば市場から一気に逃げ出す。今、世界が覚悟すべきは原油価格が半年足らずで一バレル三十ドル台から八ドルまで暴落した一九八六年の「逆オイルショック」に匹敵する「資源ショック」なのだ。