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連載

続・不養生のすすめ16

動脈硬化と動物実験
柴田 博

2012年4月号

動脈硬化と動物実験



 二〇一〇年は“コレステロールばい菌説”の終焉を宣言する記念すべき年となった。日本脂質栄養学会コレステロールガイドライン策定委員会が『長寿のためのコレステロールガイドライン』(中日出版社)を上梓したためである。それまでも、日本人間ドック学会や日本総合健診医学会は、治療基準となる血清総コレステロールを二百八十ミリグラム/dlあたりにする指針を出してはいた。しかし、二十年前に出された日本動脈硬化学会の二百二十ミリグラム/dlから治療するという指針のインパクトが強く、現場の医師も国民もそれ以外の基準のことには気が回らなかった。
「血清のコレステロールは低いほどよい」「コレステロールの少ない食品ほどヘルシー」といった迷信は、少し前まで世を席捲していた、脂質栄養学会は、それまでの研究を全てレヴューし、その上でガイドラインを作成したので、国民に対する説得性が強かった。

 実は筆者は、動脈硬化学会で血清総コレステロール二百二十ミリグラム以上を治療するという基準を・・・