終わらぬトヨタの「米国訴訟地獄」
ユーザー離れは一向に止まらず
2012年4月号
「ドル箱」市場の米国で、トヨタ自動車は苦戦を続けている。「二〇一一年二月に米運輸省(DOT)がトヨタ車の電子制御装置に欠陥はなかったとシロ判定を出して一年。安全のお墨付きをもらいながら回復のテンポは遅い」と、米国自動車市場に詳しい専門紙記者は指摘する。なぜトヨタの米国販売は一向に加速しないのか。
「米国ではトヨタ車の品質とトヨタの企業姿勢に対する根強い不信感がある。それがユーザーのトヨタ離れから完全に脱しきれない遠因となっている」と、米国の消費者問題に詳しいジャーナリストはみる。
日本では「過去の話」となりつつあるトヨタ車の品質問題も、米国では「現在進行形」なのだ。実は、日本のメディアは全く報じないが、品質問題にからむ訴訟も収束を迎えるどころか、これからが正念場といった方が正確なのだ。