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経済

米国経済に急回復の兆し

ドル高で金相場に「暴落説」

2012年4月号

「何しろ金は利息が付かないからなあ。ドルに先高感が出たうえに、住宅がらみで少なくとも八~一〇%で運用でき、しかも底値からの反発が進行中となればキャピタルゲインも期待できる。そうなれば金を買う理由はないね」  これまで金ETF(上場投資信託)を運用の主力においていた中堅ヘッジファンドのマネジャーが最近、筆者にこう言った。かつて最高値は一オンス一千九百二十ドルを付けた金。もっとも、これはあくまで瞬間最高値であるが、依然として一千八百ドル近辺はなかなか抜けない。そこで「戻り売り」の典型的な相場になるのだが、万が一、下値が一千五百二十ドル台を抜ければ、大暴落―というのがこの人物が語る今後の金相場の予測である。  ひところは誰もが信じた一オンス二千ドル突破だが、当分見込めない。いや、「見込めるはずがない」とまで言う。世界的にだぶついた投機マネーの逃避先となってきた金相場に変調―その理由は米国経済の急回復とそれに伴うドル高だ。

「米国経済の影」住宅市場が回復

「米銀は不良債権処理で貸し出しどころではなく、そこで日本化不安が言われていたのでは」との・・・