「被災地エゴ」を制御できぬ政治
変革に抗う「民意」の言いなり
2012年4月号
結局、日本は何も変わらなかったのではないか。そんな疑念が世界中に広がっている。東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故は、少子高齢化と人口減でコミュニティが機能不全になる近未来像を一気に顕在化させ、国民意識にも変化が生まれたのに、政治は変革に抗おうとする国民感情の方に迎合し、無益に一年を過ごしたからだ。日本の生き残りに必要な改革に着手する千載一遇の機会を逃したと言ってもいい。