三万人のための情報誌 選択出版

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政治

「矮小政局」の責任はメディアにも

まるで少年探偵団

2012年4月号

 衆議院第一議員会館の八階でエレベーターを降りると、異様な光景が目に飛び込んでくる。薄暗い廊下に、文字通り「いい若いもん」十数人がたむろしている。膝にパソコンを置いてキーボードを打つ者、携帯電話で外部と連絡を取り合う者。座り込んで読書をしている者もいる。そこは民主党政調会長前原誠司の事務所前である。ほぼ全員が「前原番」と言っていいだろう。前原を訪ねる政治家や官僚、経済人をチェックし、前原の出を待つのである。夕方になると議員会館を出る前原を囲み、押しくらまんじゅう状態で議員会館玄関まで一緒に歩く。こうした光景が日常的に繰り広げられる。

テレビに出まくる野田の思惑

 首相野田佳彦は代表の座を争った前原をあえて政調会長に起用した。その際にこう明言した。 「政府の意思決定では政調会長の承認を原則とする」  前原のサインがなければ一本の法案も国会に提出できないのが建前だ。だからこそ前原番は業界用語でいう「ベタ張り」するのだ。だが、前原の捌きが悪ければ政策決定にたちまち「大渋滞」が起きる。野田が政治生命を懸けると明言した消費増税法案の党内取りまと・・・