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政治

《土着権力の研究》 石川県 飛田秀一・北國新聞社会長

県の政官財を牛耳る「大重鎮」

2012年4月号

 JR金沢駅から南東に向けて歩くこと約二十分、そこには金沢城公園や兼六園、長町武家屋敷跡などの歴史観光スポットが集中する一帯が広がる。城下町の金沢らしい歴史的建造物や古い街並みが点在するエリアの一角に、周囲の景観に全く似つかわしくない二十一階建ての偉容を誇る高層ビルが嫌でも目に飛び込んでくる。石川県下最大の発行部数(約三十五万部)を誇る「北國新聞」の本社ビル、「北國新聞会館」である。

「地元では金沢経済同友会などが音頭を取って、金沢を世界文化遺産に登録申請しようという動きがありますが、そのマイナス要因になるのではないかと囁かれているのが、あの異様な北國新聞会館なのです」(石川県民)

 高さが九十三メートルにも及ぶ“景観破壊ビル”が竣工されたのは一九九一年。当時、ある大手週刊誌が金沢市の街並みに相応しくないと批判したところ、北國新聞はすぐさま?みつき、「(その親会社のビルを指して)ペンシルビルの方が景観を破壊している」と激しい反撃に出た。

 ことほど左様に、批判者を返り討ちにしようとするその異・・・