アフガンで蠢動する「イラン情報省」
反米運動をあおる
2012年4月号
イラン情勢が緊迫の度を深めるにつれ、同国による工作活動が活発化している。特に、米国主導のイラン制裁をあざ笑うかのように周辺諸国との結びつきを強め、地域における影響力を高めようとしている。イランへの制裁が空洞化するばかりか、地域内における立場をより強固にしかねない。
「顕著な例はアフガニスタンで見られる。現在噴出している反米運動の陰にもイランがいる」(イスラム専門家)
アフガン国内におけるイランによる最も大きな工作活動は、タリバンへの支援という形で行われているという。
歴史的に見て、ペルシャ人とタリバンを形成するパシュトゥン人の関係は決して良好とはいえない。代表的な例では、一九九八年にアフガン北西部の都市マザリシャリフでイラン外交官八人が殺害される事件が起きるなど、九〇年代までは明らかに対立していた。
しかし、今世紀に入りタリバン政権が崩壊し、米国の軍事的脅威がイランに迫って以降、状況は変化する。特に近年、タリバンとイランの関係は密接になっていると前出イスラム専門家は語る。
「『敵の敵は味方』という論理。特に主導的役割を果たしているのがイラン情報省だ・・・