トルコも「核兵器」開発に本腰
米国の「制止」も振り切る魂胆
2012年4月号
イラン核問題が軍事的緊張に高まる中、西隣のイスラム大国トルコが静かに核開発に動いている。 米政府は、核兵器につながる中核技術をトルコに渡さない意向だが、トルコ政府は「イラン核武装」という事態に備え、独自の核技術取得に強い意欲を示している。日本は「原子力協定」締結をテコに原発受注を狙うものの、トルコが技術移転を強く迫るのは確実だ。
イラン危機さなかの三月中旬、トルコのエルドアン首相は英BBCとの会見で「核兵器保有国は、他の国に『核兵器を持つな』と言う立場にはない」と、イランを擁護する一方、米欧がイスラエルの核兵器に目をつぶるのを「不公平」と批判した。米外交筋は、「ライバルのイランをこの時期に支持するのは、『トルコにも核開発技術を認めろ』という、米国への注文だ。今後はやっかいな問題になる」と懸念を示した。