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WORLD

日本の大学の世界ランクはなぜ低いか

青木昌彦(スタンフォード大学名誉教授)

2012年4月号

―日本ではここにきて大学の秋入学制がようやく議論の緒に就きました。

 青木 良かれ悪しかれ、グローバル化で世界がつながっているのは厳然たる事実であり、秋入学への移行は当然なされるべきだ。日本の大学が抱える問題はあまりに多いが、いずれも共通している病は、その内向き志向に尽きる。秋入学に伴う卒業後の就職の問題や、高校卒業後の時間をどうするかでは、議論の次元が低すぎる。世界で評価される大学になるにはどうすればいいのか、真剣に考えなければ日本の大学教育の地盤沈下は止まらない。

―世界の大学ランキングをみても東京大学が三十位、京都大学が五十二位など日本の大学の評価は低いです。

 青木 世界の大学ランキングは、重点を教育に置くか研究に置くかで大きく左右されるなど批判も多く、絶対的な基準ではない。だが、数あるランキングをみても日本勢の順位にそれほど大差がないことを鑑みると、日本の大学に対する国際的評価は総じて低いという傾向は読み取れる。そこには日本の大学の後進性、すなわち国際性の・・・