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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》東京大学地震研究所

狼少年どころか今や「恐喝屋」

2012年3月号

東日本大震災の発生から一年が過ぎる。二〇一一年三月十一日に発生した地震(東北地方太平洋沖地震)は、日本の地震研究の現場をも揺らした。

 地震から半年以上が経過した昨年十月、静岡市内の会場で「日本地震学会」の秋季大会が開催された。特に注目を浴びたのは、最終日の「地震学の今を問う」と題した特別シンポジウムだった。多くの研究者から「地震学が敗北した」という趣旨の弁が相次いだ。そして冒頭の特別講演で登壇したのは東京大学のロバート・ゲラー教授だった。同教授は古くから日本の地震研究について苦言を呈してきた人物だ。この日も持論である「地震予知は不可能」「現在の予知体制をリセットせよ」と訴えた。

 本誌は震災発生後の昨年四月号で「『地震予知』という大嘘」として、日本の地震研究を断罪した。この中では、できるはずのない予知を掲げて予算を奪っているという事実を指弾した。この地震学会では、地震学者自らがこうした罪を反省したように映る。
「個々の研究者レベルでは様々な葛藤はあるが、業界全体の構図は何ら変わっていない」

 現役のベテ・・・