イスラエルの「イラン空爆」必至
米国は抑え切れない
2012年3月号
どうも様子がおかしい。「狼少年」の代表例「イスラエルによるイラン攻撃」説が現実味を帯びてきている。
経済の観点からこの問題に敏感な報道姿勢を取ってきた英フィナンシャル・タイムズのベテラン外交記者ギデオン・ラッチマン氏は二月二十二日付で「イランの核開発計画をめぐって戦争が起こるかどうかの問題はかなり以前から出回っていて聞き飽きたが、今年は違う気がする。戦争の恐れはずっと切迫してきた。イスラエルのイラン空爆は始まるだろう。しかし、そのあとすぐさま米国が―恐らく英国とフランス、そして湾岸諸国とサウジアラビアも―巻き込まれるだろう」と書いた。
イスラエルによる決定の鍵を握るエフド・バラク副首相兼国防相は“zone of immunity”(ZI=核兵器獲得を外部から阻止できない段階)に突入する前に軍事行動を起こすとの発言をしている。イランが新たに地下核施設でウランの濃縮作業を開始したことを意識したものだ。そこにレオン・パネッタ米国防長官の「四~六月がギリギリの期限と見ている」旨の報道が飛び出した。
ZIの段階に入ったら万事休す、と信じているイスラエルの緊張感は米国や欧州・・・