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連載

日本の科学アラカルト19

周辺海域に眠る「海洋エネルギー」を利用しろ

2012年3月号

日本を襲った大震災の傷は、なかなか癒えない。地震の揺れや津波によって受けた被害は、遅れこそあるかもしれないが少しずつ回復している。しかし、福島第一原子力発電所事故の被害とそれにつらなるエネルギー問題は、この国を未だ縛り付けている。


 少資源国――。今さらながらに突きつけられた課題だ。脱原発議論の是非はともかく、実質的に稼働する原発がなくなるという事態に直面するなかで、多くの研究者や企業が代替エネルギー研究に取り組んでいる。現在注目されているキーワードは「海」だ。

 二月に入り、日本周辺の海底に眠る「燃える氷」、メタンハイドレート(MH)の採掘が始まったことは周知の通り。日本のガス消費量の百年分を賄う埋蔵量があるとされるMHは、採掘技術さえ確立されておらず、採算を改善させることから始める。

 海洋の資源といえばMHや、中国との睨み合いが続く海底ガス田が有力候補だ。しかし、四方を海に囲まれ、世界第六位、約・・・