行政処分にも面従腹背のドコモ
通信障害は社内抗争が招いた「人災」
2012年3月号
「まるで資源不足で負けるのを知りながら日米開戦に突入した旧日本軍のようだ」――。
こう話すのは、関東圏にあるNTTドコモショップの店長だ。
スマートフォンの普及拡大を受け、携帯電話通信網の逼迫が社会問題化している。中でもドコモは、昨年十二月から今年二月はじめまでの間に、計八回もの通信障害を発生させている。一月二十五日には二百五十万人を超える過去最大級の通信障害も発生。「重大な事故の多発は、利用者の利益及び通信サービスに対する信頼を大きく損なう」。しびれを切らした総務省は翌二十六日、同社に設備増強など再発防止を求める行政指導に踏み切ったほどだ。
そんな状況下で、この店長は「さすがに耳を疑いました」と話す。行政指導が下った直後に、本社営業部門から、「スマートフォン販売の手を一切緩めるな」という指示が下ったというのだ。通信網逼迫に拍車をかけることを承知の上で売りまくる、まさに「確信犯」と呼ぶにふさわしい。
「店頭は顧客からのクレームや問い合わせが相次いでいるというのに、一方では厳しい販売ノルマを絶対に達成しろという二律背反の注文です」(同店長)
ドコモの山田・・・