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経済

電力自由化「骨抜き」の内幕

まんまと逃げのびた東電

2012年3月号

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を引き金とした電力改革論議が幕を開けた。民主党政権は事故で弱体化した東電の改革を口火に、電力業界の旧弊打破を画策。発送電分離、地域独占の廃止、小売りの全面自由化、料金算定基準の見直しなど、これまで電力業界が聖域化してきた分野にもメスが入ろうとしている。  現状、東電に代表されるように電力業界は「まな板の上のコイ」の様相を呈しているが、それは真実だろうか。電力業界が事あるごとに見せつけてきた「したたかさ」を見誤ってはいけない。彼らは戦後の発足以降、日本社会が変革を重ねる中にあっても、およそ六十年にわたり、しぶとくその体制を維持してきたのだ。

強く働く「電力派官僚」の意向

  電力改革を巡っては、昨年末に経済産業省が「電力システム改革に関するタスクフォース論点整理」を発表。これをたたき台として、経産相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会の「電力システム改革専門委員会」で議論を進める流れだ。改革専門委員会は二月二日に初会合を開き、夏までの議論集約を目指している。  発送電分離はこれまでのところ、「機能分・・・