JALの「安全運航」に重大疑惑
「利益最優先」稲盛経営の帰結
2012年3月号
二月十五日、日本航空(JAL)臨時株主総会後の取締役会で、植木義晴専務執行役員が正式に社長に就任し、新体制がスタートした。
直後の会見で植木新社長は、「JALグループ二〇一二~二〇一六年度中期経営計画」を発表。米ボーイング社の最新鋭機「787」の発注機数を、これまでの三十五機から四十五機に増やし国際線を強化するなど、「再建」から「成長」へと舵を切る姿勢をアピールしてみせた。
だが、徹底したリストラで利益こそ膨らんだものの、肝心な搭乗率は低迷が続く。格安航空会社(LCC)との競争激化を控え、本格復活への道筋は不透明だ。
さらに重大なのが稲盛和夫名誉会長の「利益至上」の考えの下、安全運航に黄信号が灯っていることだ。本誌報道を含め、国会審議や裁判で安全軽視が追及された結果、「(JAL)幹部は、枕詞のように、安全、安全と言うようにはなりました」(中堅社員)。
安全推進本部長を兼任する大西賢会長も、次のように述べている。
「私どもJALグループは、あらゆる面で何よりも『安全・・・