投機筋が仕掛ける日本「売り」
現実味増す「国債暴落」シナリオ
2012年3月号
何といったって、あのジム・オニールがヘッジファンドの電話会議で主張したんだからね。重みが違うよ」
日本国債が「現在の一%を切った低利回りから三・五%に上昇(債券価格は下落)。現在七%のイタリア国債は高利回りから中間点に近い三・五%に下落するだろうから、両国の金利は並ぶ。時期は今後二~三年」という見通しが、一月下旬に発表された。
言い出したのはゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント会長のジム・オニール氏。いうまでもなく、「BRICs」という新語を生み出した「新興国への投資シナリオ」を創案、トップストラテジストとしての名声をほしいままにしているマーケットの大物だ。なぜ、日本国債は「売り仕掛け」なのか? オニール氏は言う。
「ギリシャがある意味で“倒産”してしまった現在、弱気派はギリシャ以外の売るべき市場を探し、返済不可能なほどの負債を抱えている国に注目するようになっている。日本はそうした対象市場の一つ」。こうした指摘は本誌読者なら先刻ご存じだろう。何ら目新しさはない。
だが実はもうひとつ、ヘッジファンドが注目しているデータがある。まだ公表されていないも・・・