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政治

「孤立無援」駐中国・丹羽大使

民主党無責任外交の「象徴」

2012年3月号

民主党政権が官僚政治打破をアピールするため、名物財界人として知られる丹羽宇一郎・伊藤忠商事元会長を駐中国大使に抜擢して一年半以上経ったが、肝心の対中国外交で成果らしい成果を上げられず、関係者は頭を抱えている。  背景には「政権の強力な後押しがなければ現場で能力を発揮できない」という民間人大使の弱点を深く考えず、ただ「官僚が独占してきたポストに風穴を開ける」という狙いだけで、外交の素人である丹羽氏を北京に送り込んでしまったという実情がある。

「官邸と疎遠らしいね」

「大使ポストに嫌気がさした丹羽氏が、官邸関係者に『もう辞めたい』と漏らしたようだ」  二月初旬、永田町界隈でこんな噂が流れた。丹羽氏は今年に入り、尖閣諸島問題をめぐり中国からまたまた抗議を受けている。日本政府が尖閣周辺の無人島に名前を付けると発表したことに中国が反発を強めたためで、日中関係筋の間では「丹羽氏は精神的にかなりダメージをこうむっている」との見方が広がっている。  そもそも丹羽氏が得意とするのは経済協力分野であり、領土保全を含む安全保障問題は門外漢。摩擦が発生・・・