空騒ぎの「橋下政局」
政治劣化が生んだ「あだ花」
2012年3月号
「解散風」がピタッと止まった。
二月下旬、自民党幹部が漏らした言葉に実感がこもっていた。なぜ解散風は止んだのか――。野田の求心力低下と「橋下旋風」が絡み合った結果というのが永田町の最大公約数と言っていい。二月中旬以降に実施された各メディアの世論調査の内閣支持率は読売三〇%、産経二六・四%、共同通信二九%など軒並み三〇%以下となった。「首相の解散権を担保するには最低四〇%は必要」(官房長官経験者)とされる経験則に照らせば野田の野望は夢のまた夢になりつつある。