「インド式」民主主義に限界顕わ
「信頼できる大国」は夢のまた夢
2012年3月号
「世界最大の民主国家」といわれるインドに近年、日本や米国が熱い視線を注いできた。不気味な軍事的台頭ぶりをみせる中国への政治的な牽制や、人口十二億人もの巨大市場に新たなビジネスチャンスを見出そうとする財界の期待が背景にあるのだが、この国の「民主主義」は、相変わらずの矛盾に満ちている。二月に実施された地方選挙を見ると、インドがまだまだ信頼できる大国にはなりえない事情がよく分かる。