Book Reviewing Globe334
中国「平和台頭」への反証
2012年3月号
HarmonyandWar Confucian CultureandChinesePowerPolitics Yuan-KangWangColumbiaUniversityPress 2010$50.00
中国が、超大国として登場すると、中国の文化的特質が世界の秩序形成に投影されてくる。
その特質は一言でいえば、中華思想であり、国際関係は不平等だが、恩恵を施す温和な支配とされる。明時代の朝貢貿易がその典型である。
「鄭和の七回にわたる大航海のうち、一度として外国を占領したことはなかったし、城壁をつくったこともなかったし、外国から財宝をかすめ取ったこともなかった。それは与えることを主とした商業と貿易のミッションだった」
中国政府は二〇〇五年の大航海六百周年記念を前に、そのような歴史的意義づけをしている。
その含意は、その後のポルトガル、スペイン、オランダ、英国の西欧列強の大航海時代の武力侵略とは際立った対照をなす「平和台頭」だったとの点にある。
中・・・
中国が、超大国として登場すると、中国の文化的特質が世界の秩序形成に投影されてくる。
その特質は一言でいえば、中華思想であり、国際関係は不平等だが、恩恵を施す温和な支配とされる。明時代の朝貢貿易がその典型である。
「鄭和の七回にわたる大航海のうち、一度として外国を占領したことはなかったし、城壁をつくったこともなかったし、外国から財宝をかすめ取ったこともなかった。それは与えることを主とした商業と貿易のミッションだった」
中国政府は二〇〇五年の大航海六百周年記念を前に、そのような歴史的意義づけをしている。
その含意は、その後のポルトガル、スペイン、オランダ、英国の西欧列強の大航海時代の武力侵略とは際立った対照をなす「平和台頭」だったとの点にある。
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