三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

WORLD

英王室の「救世主」キャサリン妃

「ダイアナ超え」となるか

2012年3月号

英王室には、今、新しい風が吹く。その風は、この四月に結婚一周年を迎えるケイト・ミドルトンさん=ケンブリッジ公爵夫人ことキャサリン妃と、彼女を支える夫、ケンブリッジ公=ウィリアム王子のもとから吹いてくる。  キャサリン妃の「新しさ」とは何か? 一言で言えば、王室という伝統的で自由が利かない環境の中にいて、自分の意思で人生の手綱を取りつつある点だ。しかも自然体で国民の心情と直結する感覚をのぞかせる。これが現代英国人の心情にぴったりとフィットする。モデル並みの容姿端麗さも貢献し、国民の憧れや称賛の的になりつつある。羨望感や称賛は王室制度を維持するための重要な構成要素だ。キャサリン妃は、英国の王室が二十一世紀以降にも生き残るための「救世主」となる可能性が高い。

二人の妃に大きな違い

「目が合った瞬間、心がすっと軽くなったんです」。アルコール依存症からの脱却に格闘するレイチェル・ライオンズは、報道陣にこう語った。イングランド北部リバプールにある、元アルコール依存者用のバー「ザ・ブリンク」は、二月十四日の聖バレンタインデーに珍しいゲストを迎えていた。バ・・・