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政治

霞が関の掃き溜め「内閣府」

行政機構の無駄の象徴

2012年2月号

 一月二十四日の衆参本会議。首相、野田佳彦は就任後初めてとなった施政方針演説で「行政改革に不退転の覚悟で臨む」と宣言した。これまでも「政治生命を懸ける」「捨て石になる」などの表現を多用してきたので新鮮味はなかったが、演説で「不退転」を謳ったのはこの部分だけだった。  野田がこだわる社会保障と税の一体改革、要するに消費税率の一〇%への引き上げを実現するには「官」が行政改革で身を切る姿勢を見せるのが先だと考えたからだろう。しかし、野田の足元にも無駄は転がっている。全国紙政治部ベテラン記者はこう語る。 「『内閣府』という得体の知れない組織は無駄の象徴」

「ホチキス官庁」という蔑称

 首相官邸から道を隔てた場所に古びた建物がある。門には「内閣官房」「内閣府」の二つの看板が掲げられている。内閣府の官僚たちは、大臣官房や賞勲局が置かれるこの建物を「本府」と呼ぶ。これは内閣府の各部局が官庁街に点在しているためだ。沖縄振興局、北方対策本部、原子力安全委員会事務局などは霞が関の中央合同庁舎第四号館、防災担当は第五号館……というように、所管する迎賓館も含めて十四カ所に・・・