《土着権力の研究》 山梨県 富士急行
「選挙」での強力な集票マシン
2012年2月号
内向的社会――。周囲を山に囲まれた甲府盆地を中心とする山梨県を語る際の「枕詞」だ。平地が少なく山間部に寄り添うように集落が点在する土地柄は、地域社会の結びつきを強くしてきた。かつてほどではないにしろ、社会的な後見を期待した「親分子分」といった関係さえも残る。
こうした「ウエット」な土地柄のなかで、頭角を現し名を残した政治家の代表格は、故・金丸信だ。地元はもちろん、永田町でもその面倒見の良さと、親分肌で多くの人を呼び込みその地位を確立した。
この金丸の陰に隠れながらも、当選回数を重ねてきたのが堀内光雄である。大月市在住のジャーナリストはこう語る。
「前回の選挙で落選したが、県内での影響力は保っている。そしてその力の源泉は、自身が代表取締役会長を務める富士急行の存在を抜きには語れない」
「郡内」での大きな影響力
山梨の選挙はその激しさで知られる。世に「甲州選挙」といわれ、金権、・・・