北朝鮮の「核拡散」は 防げるか
ちらつくイラン・シリアの影
2012年2月号
金正日死去後の北朝鮮は、いまのところ平穏を保ち、金正恩は、滞りなく党・軍・行政のトップに収まったように見える。北朝鮮側は、正恩が父親の正統な継承者であり、先軍政治を受け継ぐことを真っ先にアピールした。そして「金正日の業績は核兵器開発であり、遺訓を継ぐのは金正恩」と報道している。北問題に詳しい在ソウルの韓国人記者はこう指摘する。
「ここにこそ、東アジアだけでなく世界を脅かす火種がある」
正恩体制の北朝鮮が果たして、核を問題なく保有できるのか。技術移転の先には、イランやシリアが連なる。昨年末の日中首脳会談の場では、日本側から「北朝鮮の核技術・人材の流出阻止の枠組み」についての検討を提案する場面があったと報じられたが、いまから枠組みを云々するほど悠長な取り組みでいいのか。