アフリカ北部が「第二のアフガン」に
イスラム過激派が跋扈
2012年2月号
昨年吹き荒れた「アラブの春」をきっかけに、アフリカ大陸におけるイスラム過激派の動きは活発化する一方だ。それは、北アフリカだけでなくサハラ南縁にいたる西アフリカに分類される諸国をも巻き込んでいる。原理主義勢力に詳しいサウジアラビアの研究者はこう語る。
「こうした地域が、かつてアルカーイダを育んだアフガニスタンのような場所になりつつある」
アラブの春の当事者である北アフリカ諸国でのイスラム勢力台頭は、昨年十二月のエジプト総選挙でイスラム勢力が圧勝したことをみてもわかる通りだ。リビアでもサウジアラビアの支援を受けるサラフィスト(イスラムの純化を考える者)たちが政府を乗っ取る可能性が指摘されている。国民評議会のトリポリ軍事委員会委員長だったアブデル・ハキム・ベルハジは典型的なサラフィストだ。
ベルハジは二〇〇四年にマレーシアのクアラルンプールで、CIAによって拘束されて六年間獄中にあった人物。それが今回、反カダフィの武装勢力の中心になったのは、CIAやMI6の画策があったためとされている。
「彼は、かつて同じように支援を受け後に牙を剥いたオサマ・ビンラディンのよう・・・