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米経済縛る「不良債権問題」

不動産市況低迷で新たな危機も

2012年2月号

 米国の景気回復は遠い。株式市場は個別ニュースに一喜一憂するが、出口はまだ見えていないのだ。米国経済を測る上で重要な住宅・不動産市況の低迷が足かせとなっており、その裏にはいまだに処理が終わらぬ不良債権がマグマのように存在する。  昨年後半ごろから「そろそろ住宅価格は上昇に転じてもいいのでは」という希望的観測が流れていた不動産市場は冷や水を浴びせられた。十二月初旬、エール大学のロバート・シラー教授が「住宅の実質価格は今後数十年低下し続ける」と発言したのだ。同教授は「S&P/ケース・シラー住宅価格指数」の開発者で、言うまでもなく不動産市場の権威だ。同教授はさらに「住宅は投資の対象として妙味がない」と切って捨てた。  不動産大手ジロー・リアル・エステート社が一月十日に発表した、全国百六十五都市の市場をもとにした不動産価格指数をみると、昨年の第3四半期は前期比で横ばい。前年同期比で四・四%下落している。また、同社が昨年十二月二十日に行った百九名の専門家を対象とする調査でも、二〇一二年の不動産価格は〇・一八%下落するという結果が出ている。

地方銀行倒産は続く

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