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連載

皇室の風 41

鎮まった祭神たち
岩井克己

2012年1月号

 


眞子内親王(秋篠宮家長女)は十一月二十四日、伊勢神宮を参拝した。成年の奉告で、単独での参拝は初めて。白い参拝服姿、緊張した面持ちで人々に会釈し参道を進む姿が初々しかった。

 伊勢神宮では前日に天皇の「勅使」を迎え新嘗祭が執り行われたばかり。東京では皇居・宮中三殿で新嘗祭が行われたが、入院中の天皇は初めての欠席となった。島根の出雲大社でも同日、献穀祭で国造が天皇の病気平癒を祈る祝詞を読み上げ、夜に「古伝新嘗祭」を執り行った。



 古代史家溝口睦子は、様々な神話が見事に織りなされた『古事記』の内側に王権神話の二元構造が隠れていると析出した。

 イザナキ・イザナミ~アマテラス・スサノヲ~オオクニヌシ系の神話体系と、タカミムスヒを主神とし天孫降臨を中心とするムスヒ系神話体系とだ。両者は、イザナキ系の主神オオクニヌシがムスヒ系の主神タカミムスヒに「国譲り」することで一続きの物語に統合されたと。

   弥生以来、・・・