高まる「日本株再評価」の機運
「買い」に群がるヘッジファンド
2012年1月号
「カイル・バスの日本国債売りは、もう何遍も仕掛けて、その都度失敗している。同調者はゼロとは言わないが、大勢にはならないね」
ギリシャ、イタリアの信用危機で儲けたヘッジファンドが次に狙うのは日本国債売り、という記事が週刊誌などで大々的に報じられたことについてのファンドマネジャーの反応である。まず、日本国債は九四%が日本の国内の機関投資家が保有しており、先物市場でいくら「売り」を仕掛けても、またクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のレートを上げて不安感を煽っても、現物の大量売りが出ない以上、結局は仕掛け損だった。今回も同じだろう、というのだ。
「記事の中にレバレッジが百倍と書いてあるって? もう、色々な政府の規制があるからそんな無茶はできるはずがないよ。それに格下げになっても日本国内では銀行は日本国債を売らなくてもいい、という特例があるじゃないか。これが変わらなければ、卵を壁にぶつけるようなものだと思うよ」(同ファンドマネジャー)
むしろヘッジファンド主流派は、将来いずれ売却に転じるとしても、とりあえず二〇一二年の日本株は「買い」から入る、という。また、環太平洋・・・