無駄の温床となる「復興庁」
出鱈目な「便乗予算」が横行
2012年1月号
日本が活力を取り戻すか、衰退の速度を速めるかの分水嶺となるであろう二〇一二年の政治・行政の行方は、二月にも発足する新たな役所が象徴的な鍵を握っている。東日本大震災からの復旧・復興の司令塔となる復興庁である。
不毛な与野党対立で幕を閉じた一一年最後の臨時国会の数少ない成果は、第三次補正予算と復興庁設置法の成立だったと、多くの人が言う。しかし、三次補正の中身を子細に見れば、そして、復興庁の権限を巡る各党の思惑を探れば、これは「モラルなきばらまきシステム」の始まりに見える。