《政界スキャン》
改憲に不熱心な民主党
2012年1月号
十二月十七日の新聞に載った小さい記事だが、憲法改正をめぐる政界の状況を端的に示していた。前日の十六日、超党派議員による「憲法九十六条改正を目指す議員連盟」の総会で、講師に招かれた鳩山由紀夫元首相が改憲について熱弁をふるったところ、自民党の宇都隆史参院議員が、
「鳩山さんに憲法を語る資格はない。首相の時に一度でも改憲の話をしたのか」
と筋みつき、議連脱退を宣言して会場をあとにしたという。
第九十六条は改正条項で、「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない」としている。議連は、この「三分の二」規定が改正の障害になっているとみて緩和をはかろうとして結成されたものだ。
鳩山は祖父の一郎元首相が熱心な改憲論者だったこともあって、早くから改正を主張し、二〇〇五年には、『新憲法試案――尊厳ある日本を創る』(PHP研究所)を刊・・・