西風 368
橋下流人事に揺れる大阪市役所
八木亜夫
2012年1月号
十一月のダブル選で大阪府知事と大阪市長を一気に奪い、大阪を「橋下=維新王国」に変えた橋下徹市長が十二月十九日、大阪市役所に乗り込んだ。三日前、平松邦夫前市長を見送った市役所の正面玄関には約五百人の職員が集まり、新市長を盛大な拍手で出迎えた。だが、「独裁恐怖政治の始まり」とおののく職員は少なくない。
とりわけ、庁内に衝撃を走らせたのが、橋下氏が就任初日に発令した懲罰人事だ。平松氏側近だった政策企画室長、情報公開室長ら六人を、仕事のない「総務局付」に更迭した。
市は選挙前、橋下氏が唱える大阪都構想への疑問点をホームページに掲載したり、区民集会の名を借りた実質的な平松氏の決起大会を開いたりしており、六人はその担当幹部だった。橋下氏は当時から「市職員が政治に首を突っ込むのはおかしい。選挙で(維新の会が)勝ったときは、一族郎党覚悟しろ」と威圧していたが、本当に実行してしまったわけだ。これら幹部たちの「親玉」とも言える森下暁副市・・・