度し難き国交省の「省益確保」
官僚主導復活で「我が世の春」
2012年1月号
「九月の組閣のときから結果は見えていたが、ここまで強引にやるとは……」
経済産業省のキャリア官僚の一人は、最近の国土交通省による「巻き返し」についてこう語った。
民主党が政権交代当初掲げた「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズが消え去って久しい。国交省が復活を画策した八ツ場ダムの建設再開は、来年度予算に盛り込まれることになった。
追い風も吹いている。十二月に入り、整備新幹線の未着工区間の三区間同時着工や、東京外環自動車道が、二〇一二年度予算案に盛り込まれることが相次いで決まった。