みずほのグループ経営にまた綻び
証券子会社でいびつな大リストラ
2011年12月号
「銀行で役に立たない社員を『出向』という形で無理やりウチに押し付けておきながら、いざ業績が悪くなると真っ先にウチのプロパーからクビを切る。これではカネの稼げる社員を放り出して、わざわざ無能な連中だけを残すようなもの。収益力はますます低下していくばかりだ」。みずほ証券(SC)幹部が悲憤慷慨する。
欧州債務危機の深刻化による世界的な株安などで寒風吹きすさぶ証券界――。大手五社の二〇一一年度上期(四~九月期)決算は、野村ホールディングスが二百八十三億円の最終損失を計上するなど、大半が水面下に沈んだ。SCもご多分に漏れず、二百六十七億円余の最終赤字。六十八億円の損失を出した昨年十~十二月期以降、四半期ベースでは四期連続で、「出血が止まらない」(関係者)。
そんな中、十月から幕を開けたのがリストラだ。全社員(九月末時点で六千百三人)のおよそ五%に当たる三百人規模の希望退職を募るのをはじめ、来年三月末までに計七百人の国内要員を削減する。ところが、部長代理クラスを中心に「山のようにいる」(事情通)とされるみずほコーポレート銀行(CB)やみずほ銀行(BK)からの出向組はその対象外。プロ・・・