三メガのオリンパス争奪戦が激化
三井住友の囲い込みは成るか
2011年12月号
「最後は山一證券の社長みたいに、『経営陣が悪いんであって、社員は悪くございません』というかな」
口の悪い証券アナリストは、一九九七年に巨額の簿外債務が発覚して自主廃業に追い込まれ男泣きした証券大手トップの姿を連想した。
視線の先にあるのは、言うまでもなくオリンパス。損失隠しに粉飾決算。使った手口が「飛ばし」で旧トップの悪行が発端と、共通項はあまりにも多い。オリンパスが山一と同じ末路をたどるなら、銀行の支援は得られず金融当局からも見放されることになる。
オリンパスが銀行から見放され、上場廃止にでもなれば、いくら優良企業といえども事業継続は難しい。ただそうなった場合、取引銀行は保有株式や融資の焦げ付きなど無傷ではいられない。
総資産一兆円、売上高約八千五百億円(二〇一〇年度)で、内視鏡分野では世界シェア七五%を握るグローバル企業だけに、三メガバンクを中心に国内の主要銀行は軒並み融資詣でしていた。この
「超優良」企業をめぐって、水面下では買収に動き出した企業の名が挙がっている。キヤノン、HOYA、富士フイルムホールディングスの大手三社にテルモ、さらには中国系・・・