《政界スキャン》
とうとう「石原待望論」が
2011年12月号
小泉純一郎が首相に就任したのが二〇〇一年四月で、そのころ石原慎太郎東京都知事が中曽根康弘元首相と大型対談をやり、『永遠なれ、日本』(PHP研究所)というタイトルで出版した。
中曽根はこの対談で、小泉への強い期待を述べている。小泉が憲法改正、首相公選、集団的自衛権行使の容認、靖国神社の公式参拝などを実現したいと訴えていたからで、中曽根は、
「私が言ってきたことと同一路線にある。こんなありがたい人はいない。私は戦後政治の総決算を唱えてやったが、小泉君は第二次総決算をやって、ぜひ私のあとを継いでもらいたい」
と語った。しかし、石原は異を唱えている。
「小泉総理が新しい価値観をつくれるかというと疑問だ。中曽根さんのような『垂直倫理』を持っている政治家は非常に稀有です。垂直倫理とは、時代を超え立場を超えて自分を貫く価値観です。私はまだ小泉総理にこの垂直倫理を強く感じない」
小泉評価は、結果的に石原の方に分があったようだが、それはともかく、石原はこのころから、・・・