民主党が歪める公務員制度改革
「密約」を結び自治労に跪く
2011年12月号
TPP問題や原発処理など多くの懸案を抱える野田佳彦政権が、混乱の中でも今国会での成立に固執する「国家公務員給与削減法案」をめぐり、政権と公務員組合(自治労など)との密約説が浮上している。政権にとっては、自民、公明両党が対決姿勢を強め、来年早期の解散総選挙の現実味が増す中、集票マシンである大労組との関係強化は文字通りの「命綱」。一方、公務員組合の狙いは給与削減とセットでの実現を目指す公務員制度改革での権限拡張だ。ずぶずぶに裏取引を繰り返す両者の野合は公務員制度改革を歪めるばかりか、政権運営の混迷も深めるという皮肉な結果を招きそうだ。