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連載

日本の科学アラカルト15

日本で産出される数少ない資源 利用価値が注目されるヨウ素

2011年11月号

 今年は、フランスのベルナール・クールトアによって「ヨウ素」が発見されて二百年にあたる。「少資源国」である日本が輸出している数少ない資源が、原子番号53のハロゲン元素の一つであるヨウ素だ。米国地質研究所の二〇一一年度統計によれば、一〇年の世界産出量は二万九千トンで、そのうち九千八百トンを日本が生産している。一位はチリの一万八千トンであり、上位二カ国でシェアのほとんどを占める。そして、日本は約一億ドル(国連統計局)のヨウ素を輸出しているのだ。


 このうち八割が千葉県で生産される。一八〇〇年代から、この地では海藻を原料として工業的に生産されてきたが、現在は天然ガスとともに汲み上げられる「かん水」に含まれるものを取り出している。

 小学校の理科でヨウ素液を使った、「ヨウ素でんぷん反応」実験での鮮やかな紫色を覚えているだろう。また、ヨードチンキやうがい薬の成分としてもヨウ素は身近な物質といえる。

 三月に発生・・・