住友信託の「アイフル再建」に誤算
米メリルリンチが取得に意欲
2011年11月号
事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)のもとで経営再建中の消費者金融大手・アイフルをめぐり、米メリルリンチ系の投資ファンドが暗躍中との情報が浮上している。
アイフルはADRが成立した二〇〇九年十二月以降、一四年までの五年間で約六十五社から融資総額二千八百億円の返済猶予を受けている。しかし最近の債権者説明会で債権者数が徐々に減少。関係者の注目が集まっていた。
「ここ最近開催された二回の説明会で、債権者である銀行が三行ずつ計六行減っている。直近の三行は八十二、荘内、中京の地銀・第二地銀。債権者の銀行がJPモルガンやモルガン・スタンレーなどモルガン系ファンドを通じてメリルリンチ系のファンドにアイフル債権を譲渡している」(事情通)というのだ。
メリル系ファンドは、アイフルの貸付債権を買い取る際、強引なダンピングを突きつけている。銀行は不良債権化しないうちに処理をしたい。しかも、ADRのもとでは支払いは延期されるが債権はカットされずに満額入ってくる、との思惑をファンドに見透かされて債権譲渡が相次いでいるのだ。アイフルが立てた再生計画が予定通り進んでいれば、一〇年から・・・