野村證券にまたもや不正取引疑惑
メガバンクとの合併迫る金融庁
2011年11月号
「“累犯者”をこれ以上野放しにするのは許されない。メガバンクの傘下に入るか、それが嫌なら自主廃業に追い込んで市場から退出させるべきだ」
金融当局の一部ではいま、こんな強硬論すら飛び交っている。これまでも一部で囁かれ続けてきた、野村ホールディングス(HD)傘下の証券最大手、野村證券を舞台としたインサイダー取引疑惑が、ここにきて日増しに深まってきたからだ。
金融庁や証券取引等監視委員会が問題視しているのは、昨年行われた二つの巨額公募増資案件だ。国際石油開発帝石(INPEX)と東京電力―。
調達額はそれぞれ五千二百億円、四千四百七十億円に及び、事業会社としてはこの年の一、二を争う規模の大型増資。とりわけINPEX案件では希薄化率が五五%にも達し、既存株主は大きな痛みを押し付けられた。これら一連のディールでいずれも主幹事や国内共同主幹事として名を連ねていたのが、野村であることは周知の通りだ。
そして、双方とも増資発表の直前から出来高が「異様」(市場関係者)に膨張し、株価が急落したのだから、インサイダー疑惑が浮上したのも無理はない。
「増資情報をど・・・