「新型油田」に 開発競争
ここでも中国に掠め取られる日本
2011年11月号
北海ブレント原油が一バレル百十ドル台、東京ドバイ原油も百ドル台と依然として高値で推移する中、エネルギー市場では新たな石油資源として、非在来型の「新型油田」の存在がにわかに脚光を浴びている。カナダのオイルサンド、ベネズエラのオリノコタール、世界中に賦存するオイルシェールなどの「超重質油」が、それだ。
これら超重質油はその資源量の多さや資源の世界的広がりから、これまで石油輸出国機構(OPEC)が支配する国際石油市場の構図を一変させる潜在的な可能性さえ持っているといっても過言ではない。ここにきて、中国をはじめ世界の石油メジャーはこぞって開発競争に乗り出し、新たな資源争奪戦の舞台となりつつある。