《罪深きはこの官僚》関 克己 (国土交通省水管理・国土保全局長)
無駄ダム」建設推進路線の継承者
2011年11月号
国土交通省関東地方整備局は九月十三日、八ッ場ダム建設案が代替案に比べて最も有利(低コスト)とする総合評価案を示した。自らダム中止を宣言した前原誠司元国交相は検証結果に「事前説明もない。極めて不愉快」と怒りを露わにしたが、時すでに遅し。河川官僚のシナリオを見抜けなかった自らの無為無策を告白したに等しい。
このシナリオを水面下で粛々と進めてきたのが、七月に発足した「水管理・国土保全局」で初代局長に抜擢された関克己だ。水管理・国土保全局は国交省の水関連行政を担当する「河川局」「土地・水資源局水資源部」「都市・地域整備局下水道部」が統合して生まれた。だが、新組織になっても旧河川局の「ダム建設ありき」の姿勢は不変。「八ッ場ダム中止撤回路線」を関は引き継ぎ、その仕上げに取り掛かっている。
旧河川局が使った官僚主導の手口は「既成事実の積み重ね」と「御用学者の活用」だった。大臣の現地視察で、ほぼ完成済みの豪華トンネルを次々と案内し「ダム本体工事の中止は言えても、関連事業(付け替え道路や代替地建設・・・