相も変わらぬ自民党「利権体質」
政権奪還より先に瓦解か
2011年11月号
「自民党は、ベテラン議員を中心に急速に先祖返りしている」
同党の中堅議員は危機感を露わにする。「長老」たちは隠然たる党内への影響力を温存しつつ、自らの利権確保も相変わらずだ。
「粉飾」された党人事では「古き自民党」への回帰が鮮明になった。新聞やテレビは十月の党役員人事で、元首相、小泉純一郎の次男で自民党のプリンス、小泉進次郎(三十歳)が青年局長に抜擢され、やはり元首相、小渕恵三の次女で元少子化担当相の小渕優子(三十七歳)が幹事長代理に起用されたことを「自民党の若返り」と取り上げた。もちろん、これは目眩ましに過ぎず、旧態依然たる派閥や業界団体への「配慮」がそこかしこにちりばめられている。
政権交代の暁に閣僚を担うという建前のシャドウ・キャビネット(SC)の人選にもそれは現れる。農林水産相(農林担当)は参院議員、山田俊男。言わずと知れた全国農業協同組合中央会(JA全中)の元専務理事で、環太平洋経済連携協定(TPP)反対の旗振り役だ。無派閥だが、額賀派との関係が深い。同派は、防衛相に防衛産業との関係が深い今津寛を押し込み、利権を狙っている。予算の絡む厚生労働、国土交通両・・・