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連載

西風 366

「ハシズム」の思惑成るか秋の陣
八木亜夫

2011年11月号

 降ってわいたような、大阪府知事・大阪市長ダブル選挙の「大阪秋の陣」は、十一月二十七日の投票日に向けて、火ぶたを切った。


 大阪都構想の実現をめざす「大阪維新の会」の橋下徹知事が、大阪市を土台から改革するのだと、任期三カ月を残し辞職、大阪市長選に出馬して、再選を狙う平松邦夫市長と対決。後ガマの知事候補には、維新の会幹事長の松井一郎大阪府議が立つはずが、土壇場になって、民主党のかつぐ郷原信郎弁護士の名が浮上、これに自民、公明も乗る気配になってきた。ヤメ検出身の郷原弁護士は、この直前、九州電力のやらせメール問題の第三者委員会委員長をつとめ、九電と派手な一戦を繰り広げて、名を挙げていた。維新の会は、経産省反乱官僚の古賀茂明氏、中田宏前横浜市長など知事候補に著名人を模索したが、いずれも空振りに終わり、やっと松井候補に落着したものの、地味で知名度も低い。知事選で敗北すれば、橋下知事が市長選に回る意味もなくなる。

 片や反維新側も、各・・・