東地中海「天然ガス争奪戦」の複雑怪奇
中東と米欧露の「パワーゲーム
2011年11月号
東地中海で熾烈な資源争奪戦が勃発した。昨年十二月、イスラエル北部の沖合で世界最大級の天然ガス田「リバイアサン」が発見されたのに続き、これに近接するキプロス島の南方でも、リバイアサンに匹敵する埋蔵量がある可能性が浮上したのだ。開発主権を主張する「当事者」の南北キプロスがそれぞれの「保護国」であるギリシャ、トルコを巻き込んで対立を深める中、利権に食い込もうとする米国やロシアが・参戦・。さらに、イスラエルや欧州連合(EU)も情勢監視などの名目で触手を伸ばしてきた。事態は、欧州や中東のエネルギー安全保障をも揺るがすパワーゲームの様相を呈している。