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WORLD

イタリア「ブランド」を「侵食」する中国

大量移民が製造業で猛威

2011年11月号

ユーロ危機が深刻化する中で、ユーロ圏第三の大国イタリアが次の焦点に浮上している。米・日に次ぐ、一兆九千億ユーロの債務が危機的段階に入った上、政権の財政改革が進まないからだ。背景には、イタリア経済の中核を握る中国が救済にくるとの楽観論があり、その一方、欧州では「イタリアを中国の橋頭堡にするな」との反発が強まっている。  十月二十三日にブリュッセルで行われた欧州連合(EU)首脳会議は、本来の議題であるギリシャ問題以上に、「イタリア」に議論が集まった。メルケル独首相、サルコジ仏大統領はベルルスコーニ首相と個別会談を持った上、公の場でも、財政再建に熱心なスペインと比べて、イタリアのやる気のなさを批判した。  ベルルスコーニ首相には、国内経済界も怒りを募らせる。十九日には、経済五団体が、「緊急経済対策」を首相に求めた。ところが、首相は、「何も考えていないわけじゃないが、お金がないのだ」と、要望を一蹴。「私はそんなに急いでいない」と、危機感欠如を丸出しにし、経済界をさらに怒らせた。  政府に求められるのは、歳出削減、増税、脱税の取り締まり、政府の腐敗撲滅、闇経済の追放。経済界は、・・・