TPPは日本にとって「最後のバス」
浦田秀次郎(早稲田大学大学院教授)
2011年11月号
―TPP参加を巡り、いまだに政治の対立が続く信じ難い状況です。
浦田 TPPを締結すれば即時関税撤廃だなどと、ありえない話が公然と語られている。TPP反対陣営の都合がいいように、議論がどんどん歪曲されている。貿易立国の日本には、TPPのような経済提携に不参加の選択肢などあるはずがない。メディアも農業問題などに議論を矮小化して伝えるため、国民の認識も近視眼的になってしまっている。次の選挙の当落にしか関心がない政治家の思惑に乗ってしまっているのだ。だが、そんな政治家を選んだのも国民なのだから、いまさら政治が悪いといっても始まらないが。―TPP不参加の場合、日本はどうなるのでしょうか。
浦田 日本は人口が年々減少し、高齢化は進み、貯蓄率まで下がっている状況だ。常識的に考えれば、この状況で経済成長などありえない。ただ、少しでも経済を維持しようとすれ・・・