みずほの悪質デリバティブ商法
宗教法人まで破綻に追い込む
2011年10月号
「こっちが望んだわけでもないのに融資と抱き合わせの形で強引に契約を押し付けられた」「損失に関する説明がほとんどないままに買わされた」……。
実需もないところにリスク性の高い金融商品を強引に売りまくったツケ―か。メガバンクなどが過去に販売した為替デリバティブ(金融派生商品)を巡りいま、全国銀行協会の運営する紛争解決機関に対して「救済」斡旋を求める中小企業が相次いでいる。二〇一〇年度後半あたりから急速に円高・ドル安が進行、購入した契約に脆弱な財務基盤ではとても耐え切れないほどの多額の評価損が生じてしまっているためだ。〇九年度には三十六件に過ぎなかった斡旋申し立て件数が、一〇年度には百七十二件と一挙に約四・八倍に膨張。今年度に入ってからは増加ペースにさらに拍車がかかり、四~六月の三カ月間だけで百十件にも達しているという。
しかもこのうち裁判外紛争解決手段(ADR)による和解が成立した事案では「損失の半分以上を銀行側が負担させられるケースがほとんど」(三菱東京UFJ銀行=BTMU幹部)。金融庁が今春行った調査では、為替デリバ契約を保有している中小企業は全国におよそ一万・・・