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経済

東電の狡猾なる「資産売却」逃れ

着々と息吹き返している

2011年10月号

原子力損害賠償支援機構法を巡る攻防を乗り切った東京電力にとって、何ら法的根拠のない第三者委員会が相手では物足りなかったかもしれない。政府の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」が懸命に東電の財務調査を行っていた九月上旬、それをあざ笑うかのように新聞各紙には「東電、電気料金値上げ検討」の見出しが躍った。東電の資産切り売りとはあまりに逆行する報道だったが、関係者の間では「値上げ報道は東電側の意図的なリークだったのではないか」との見方が浮上している。その狙いこそ、委員会が進める厳格な資産査定と資産売却の作業を煙に巻くことだった。

「料金値上げ」は意図的リーク

東電は東日本大震災で福島第一原子力発電所と福島第二原子力発電所の計十プラントを喪失。代わりに使う火力発電所向けの燃料費が膨らみ、前年度と比べると約一兆円の追加コストを負う羽目になった。これを受け、東電は時限的な一五%程度の料金値上げを検討していたが、あろうことかその話を持ち込んだ先は、自らの資産を切り売りしようとしている経営・財務調査委員会だった。   東電の贅肉をそぎ落とす役目を負う委員会として・・・

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