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テロ止まぬインドの苦悩

黒幕はパキスタン「統合軍情報部」

2011年10月号

九月七日、首都ニューデリーの高等裁判所の入り口付近で爆破事件が起きた。インド内務省によれば、少なくとも十一人が死亡し、七十六人が負傷した。首都中心部での凶行に、インド国内は騒然とすると同時に「またしても」との思いが交錯している。    断続的に繰り返されてきたイスラム過激派によるテロは、パキスタンからインド国内、さらにはバングラデシュへと?がるネットワークの巧みな連携により引き起こされている。そのネットワークを構築し、「運用」しているのは、パキスタンの統合軍情報部(ISI)である。そして、この動きは今後さらに活発化するとみられている。

「駒」となる過激派組織

 事実、今回の犯行の直後には、パキスタンやバングラデシュを拠点とする過激派組織「イスラム聖戦運動(HUJI)」が電子メールで犯行声明を出している。    実行犯とされるグループが当局に確保されたのが、彼らが分離独立を主張するジャンム・カシミール州であったことは、皮肉としかいえない。インド国内でのイスラム過激派によるテロは、極論すればインドとパキスタンの分離とそれにともなう矛盾に行きつくからであ・・・